インフルエンザの診断を受けた方に

1.まず、家に帰ったらすぐに、学校または職場に電話してください。「病院でインフルエンザの診断を受けたのでとうぶん休む」と申告してください。会社によって、就労に診断書が必要な場合と要らない場合があるので、お勤めの方は診断書の要否を必ず聞いておいてください。

2.当院ですぐに治療を開始します。その夜はたいていの方は高熱がでて、辛い思いをされますが、翌日には別人のように楽になります。

3,今年のインフルエンザの特徴として高熱が出ない方が多く、むしろ頭痛を訴える患者さんが多いようです。熱がないと言っても症状が軽快しても48時間はまだ強い感染力を持っていますので、他人にうつります。外出はしないでください。もちろん、学校、職場にも行けません。

4.指示に従って、治癒した頃に再受診していただきます。それまで、一日2回、朝と夕方に熱を計って記録したものを持参してください。とくに備考欄にコメントを詳細に書いて下さい。記録を見て、登校・出社の可否を判断します。その際に、学生の方には登校許可証を無料で発行します。会社に提出する診断書も発行しますがその場合は3,000円の費用をご負担下さい。

5.平熱になって48時間経過すれば、登校許可証、または診断書を持って、学校・会社に行って頂けますが、ウイルスはさらに24時間、あなたの身体に残っています。ですから、熱が下がったからといって、直ぐに通常の生活に戻るのは危険です。

6.抗インフルエンザ薬のリレンザ・タミフルといった飲み薬の効果がここ数年、少し弱まっているような印象です。従って当院では原則として、インフルエンザの治療の第一選択として「ラピアクタ」という点滴の特効薬を使用しますので、飲み薬はお出ししていません。

 

ただし、親御さん方にこれだけは注意しておきたいことがあります。

学校で流行っているから検査してくれと言って子供さんを連れて来ないで下さい。インフルエンザを発症してないと検査しても意味はありません。潜伏期間でも検査は陰性です。何か異常を訴えてからでないと検査は陽性に出ません。そして発症後12時間を経過しないと、やはり検査は陰性です。でも、最近は発症後3時間でも判定できるキットもあります。うちは今年から全部それに変えましたが、それでも発症後3時間です。

・うつったかも知れないから薬をくれと言って来ないで下さい。今あるインフルエンザの特効薬は全て「ウイルスの増殖を止めるもの」ですので、予防的投与の価値は低いです。発症して初めて、特効薬は真価を発揮します。入試前だから予防的に飲んでおきたいというのは、お気持ちは判りますが、薬理学的にはものすごく無駄なのです。

お姉ちゃんがインフルエンザだったからと言って弟さんを連れて来ないで下さい。検査しても陰性です。でもそれで罹ってないとは言い切れません。そして潜伏期間は感染してから3日から4日です。さらに解熱後(平熱に戻って)48時間は感染性がある、つまり他人にうつします。以上から計算すると、家に一人でもインフルエンザの患者が出れば、家族全員が一週間の警戒が必要となります。

・インフルエンザに罹っていると判って家に帰ってから、その人を隔離しないであげて下さい。無駄です。病院に来る前に家中ですでにウイルスをばら巻いています。病院で感染が確認されてからでは手遅れです。インフルエンザのウイルスはものすごく強い感染力を持っています。例えば満員電車に一人だけインフルエンザの患者さんが乗っていたとします。その患者さんが一発クシャミしただけで、その車両に乗っている人全員の服や髪の毛にウイルスが付着します。ですので、家族に一人でもインフルエンザの人が出れば、ワクチンを注射していても、だれも全く安心できません。

・簡易検査キットは鼻か喉の奥に綿棒を突っ込みます。これ、本当にかなり痛いです。でもこれだけは避けて通れません。大人も子供も乳幼児も、泣いてでも我慢して下さい。「鼻に棒を突っ込まないで検査して下さい」などと、無茶は言わないで下さい。医者だってやりたくてやってる訳ではないのです。ごめんね、と心の中で謝りながら、手は無慈悲に動きます。

・検査キットで陽性でなかったとしても安心はしないで下さい。まだ潜伏期間のうちに検査しただけ、ということも充分にありますし、検査キットの信頼性も85%から90%程度です。やはり患者さんの症状が、診断にいちばん重要となります。
とにかく、頭が痛いと言ったらインフルエンザを疑って下さい。でもそれだけで病院に行っても検査をしては貰えません。前述のように結果の信頼性に期待が持てませんし、鼻が痛いだけです。少なくとも3時間以上は様子を見て、どんどん症状が重く、全身の倦怠感や節々の痛みを訴えはじめるようであれば、まず間違いありません。大急ぎで医療機関へ。それ以上待つのは患者さんが辛いだけですから。

 

 

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