ゲノム・ドックって何の事?あなたの〝死に様〟予測します<最終回>

7.遺伝子診断ビジネスが抱える問題

さて一方で、遺伝子検査がここまで一般化すると起こってくる問題が「倫理と法令」だという事は皆さんもうお分かりでしょう。

たとえば、いま「生命保険」という概念には、その存在自体が根底から覆されるほどの未曾有の危機が切迫しています。その原因は「遺伝子診断」の普及に他なりません。遺伝子診断によって将来発病する可能性の高い病気が、例えば「癌(がん)」であれば、どこの臓器にいつごろ発症するか高率に予測できます。そこまで遺伝子医学は進歩しているのです。

本年初頭のウォール・ストリート・ジャーナルに、遺伝子診断ビジネスは今後10年以内に250億円市場になるとの記事が掲載されました。そして、「万が一の時のために、いま入っておこう」であるべき生命保険が、「もうすぐ病気になる頃だから、そろそろ入ろう」に変わるのも、あと3年とかからないでしょう。すでにアメリカでは、医療保険会社および雇用主が遺伝情報に基づく差別を禁止する「遺伝情報差別禁止法」が制定されていますが、これは公務員が対象で民間企業を規制するものではありません。

一般に認知されている遺伝子検査とは、両親から受け継けついだ生涯変わることのないDNA体質検査を指す事は先に述べました。自分のDNA遺伝情報を知ることは病気のリスクを予測でき、生活習慣を見直す動機づけになりますが、その結果によっては人生設計を変える必要に迫られることもあり、まだ治療法のない難病や癌(がん)の遺伝情報が明らかになった場合、その検査結果は個人的な問題だけでなく、家族にも共通する重要な個人情報であり、取り扱いは厳しい管理下に置かれる必要があります

また、人の癌(がん)発症のプロセスには体質遺伝子のみならず様々な環境因子が複雑に絡み合っており、遺伝子の発現変化(m-RNA)を併せて解析することで、未病状態の解明が可能となることもご説明しましたよね。

癌(がん)は発症する前には遺伝子が異常を起こします。m-RNA発現解析で異常を起こした遺伝子量を調べることで、その時点の遺伝子の現状を診断でき、癌(がん)発生のリスクを知ることができます。DNA検査で変えることのできない体質を調べ、m-RNA検査で時々変化する体調を調べることで生活習慣改善の効果が確認でき、日々の生活に反映させられます。言い換えれば未病の段階で、ピンポイントで検査と治療が開始できるということです。

しかし、現在多くの企業が個々に実施している遺伝子検査の安全性基準、検出能力には、ばらつきがあり、さらに現時点でこの問題に法的に取り組んでいるのはアメリカだけで、遺伝子検査に関する国際的に統一された法整備はなされていません。我が国においても、この究極とも言える個人情報の保全に関する公的な規制はありません。しかし、近い将来に必ず訪れる「一億総ゲノム・ドック時代」に、今から事前に対処しておくことは必須です

私は、臨床医学的には遺伝子検査のさらなる精度の向上。社会学的には早急な統一倫理規制の法整備が急務と考え、医学と法学の両面から、遺伝子検査という新しい流れを正しい方向に導く必要性を痛切に感じています。

 1.遺伝子検査サービスを提供する企業の総合的な検査精度の向上。

 2.我が国における遺伝子検査に関する倫理規制の統一と情報保全の法整備。

 3.上記二点を世界に先駆けて構築し国際的に発信し得るまで熟成する。

今この三点を真剣に討議、検討する事が急務だと考えています。そのために、私は今、懸命にこの問題に取り組んで、日本中を走り回っています。

来春までにはこの場を借りて皆さんに良いご報告ができるように、頑張ります。

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