医療法人社団 甲南回生
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今日も5人、インフル患者が来ました

今日も5人、インフル患者が来ました

2013/08/27

皆さんもう「耳にタコ」かと思いますが、もはやインフルエンザは冬の病気とは言えません。今年の初頭は、近年まれに見る大流行となりましたが、その原因は「熱が出なかった」ということに尽きます。高熱が出ても一日だけとか、微熱が続く程度で、「ちょっと重いカゼ」と思い込んで、無理して会社に行ったり、買い物に出掛ける「隠れインフルエンザ患者」が歩き回っていたのですから、大流行して当たり前です。
しかしこれは過去形ではありません。まだまだこの流行は続きます。四年前のゴールデンウィーク明けに大騒動になった豚インフルエンザ(H1N1)2009は、季節を問わず流行しました。また、中国で発生した新型鳥インフルエンザ(H7N9)も、私はとっくに日本にも入ってきていると考えています。現に今年も、夏休み前に、早々と学級閉鎖になった学校もあります。さらにこの猛暑の中、8月に入ってさえも、当院ではいまだに一日数人のインフルエンザの患者さんが受診されます。
しかし「ラピアクタ」の点滴で、一晩で別人のように軽快します。これらの患者さんの中には、鳥インフルエンザの方も多数おられたと想像できます。この鳥インフルエンザは強毒性ではありませんが、人はこのウイルスに対して免疫を持っていませんので、感染力が強いのは当たり前で、強感染性を持つと言う意味では、高病原性と言えますが、人を殺したいウイルスではありません。つまり強毒性ではないという事です。種の保存を望んでいるウイルスですから、怖がる必要はないのです。しかし、私の臨床経験でいえば、やや重症感はあるように思います。
先日、ついにWHOが、新型鳥インフルエンザの人から人への感染を発表しました。けど、現場の医師はそんなこと、半年以上前から知っていました。でもそれを発表してしまうと、世界中でパニックが起こりますから、誰かが言い出すのを待っていただけなんです。ズルいですよね、医者って。まぁ私も含めてですから、偉そうな事は言えませんが。
さて、くどいようですが、インフルエンザが冬の病気だったのは四年前までです。しかも困ったことに、まだそう思い続けている医師もたくさん居ます。
インフルエンザは、一年を通じて発症します。これまでのような典型的な症状はなく、高熱が出ない場合も多く、あえていうなら「頭痛」と「何とも言えない倦怠感」が共通の症状と言えるくらいです。どうか皆さん、いつもと違う妙な体調や、何ともいえない疲労感、カゼだと思うけど、頭がやたら痛いなどと感じたら、すぐに医療機関に駆け込んで下さい。そしてしつこいようですが、ちゃんと感染症の現状と動向を良く分かっている先生の元にかかってください。

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