夏に多い子供の皮膚病 ~とびひ~
2012/07/11
夏になると全身の皮膚に小水疱ができ、化膿している子供さんが多くが受診して、痒みと痛みを訴えます。伝染性膿痂疹、俗にいう「とびひ」です。伝染性膿痂疹は皮膚にブドウ球菌が感染し、水疱・びらんや痂皮ができる疾患です。初めに痒みが強いため水疱を手でかきむしり、急速に周囲の皮膚へ広がっていきます。
特にこれからの季節、プールや水遊びで感染する機会が増えてきます。プールは消毒薬が入っているのでまだ安心ですが、よく公園の噴水や住宅街の人工河川などで水遊びをしている子供達を見かけることがあります。あれはもう非常に危険ですね。雑菌の温床ですから。
治療は病変部の消毒、抗生物質含有軟膏の塗布と抗生物質の内服です。シャワーで体をよく洗った後に軟膏を塗布します。水疱の部分をガーゼで覆って、掻きむしらないようにすることも大切です。
最近の傾向として、一般的によく使われる抗生物質が効かない耐性菌による「とびひ」が多く見られるようになりました。小児にはあまり使わない、少し強めの「ニューキノロン」タイプの抗菌剤でないと効果のない難治性の膿痂疹が多く、私の場合、初めのうちは一般的な抗生剤を使用し、2日経っても改善しない場合は、思い切って前述のニューキノロン抗菌剤を少量使ってみることにしています。