肩こり
2012/11/14
冬になると「肩こり」を訴える患者さんが多くなります。もちろん私どもは、痛み止めの飲み薬や湿布、もしくは温熱療法などの治療で応急的に対応するわけですが、肩こりの原因もいろいろで、当然それぞれ治療法も異なります。
もともと背骨が曲がっているため姿勢が悪くて肩こりがおこっている人。頚椎椎間板ヘルニアなど、首の骨の変形でおこっている場合。そしてもう一つ。人は寒くなると肩をすくめます。これが原因になって起こる肩こりが、じつは冬場には非常に多くなるのです。特に外でお仕事をされている方は、冬になるとどうしても肩をすくめて首をちぢめる格好になりがちで、この時期だけ肩が凝るということになるのです。骨の変形が原因の場合は牽引や運動などの理学療法、ひどいときは手術も必要になりますが、「肩すくめ」でおこる冬場限定の肩こりは「暖めること」が治療の基本です。
たとえば骨折にしても、肝炎などの内臓疾患にしても、医師や薬が治してくれるのではありません。生物本来が持つ自然治癒力があってこそで、われわれ医師はそのお手伝いをしているに過ぎません。そして自然治癒の基本は「血のめぐりを良くする」こと。血のめぐりを良くするには、まず暖めることです。
冬場に肩こりに悩まされている人は、たとえば毎日シャワーではなく、かならず湯船に肩まで浸かって首すじまで良く暖める。背中の上の方、左右の肩甲骨の中間あたりに使い捨てカイロを貼って出掛けるなど、血のめぐりを良くすることでかなり症状は改善されます。体操やストレッチ、マッサージなども効果がありますが、結局は血のめぐりを良くすることが目的なのです。
腰痛の方にもカイロを貼るというのはお奨めです。ただし、直接肌に貼ると火傷になりますから、肌着の上から貼るように注意して下さいね。