医療法人社団 甲南回生
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アトピーについて

アトピーについて

2014/06/12

本当はね、皮膚科の先生って、初診でアトピーの患者さんが来られると、たいてい「ドキドキ」してるんですよ。だって治らいなんですもの。それをどうやって沈静化させるか、まぁどうせ完治はしないからとりあえず症状を楽にしてあげようか、と考える先生もいれば、最初から完治を目指す先生まで、様々です。
10年ほど前、非医師の喧伝した「アトピービジネス」、「脱ステロイド療法」、「ステロイド・バッシング」など、アトピー治療は間違った方向に進もうとしていました。その暗黒部に対して真っ向から立ち向かったのは、現・金沢大学皮膚科教授で、私の最も尊敬する皮膚科医、竹原和彦先生でした。
アトピー性皮膚炎の患者を食い物にし、訳の分からない温泉水や、漢方を練り合わせたとか言う紛い物の軟膏薬を高額で売りつけ、「治らない」のを良い事に金儲けを企んだ「輩」に一人で挑み、患者さんたち、いや、それだけではありませんマスコミまでの眼を覚まさせ、今現在も、真っ当な治療を「患者さんと一緒に歩む」という高い意識で診療されています。私は日本一の皮膚科医と信じています。
さてその竹原先生のお言葉に素晴らしいものがあります。
「先生、私のアトピー、いつ治る?」と問いかけた患者さんに、竹原先生は必ずこうお答えになります。「3ヶ月で治るよ。ただし、君の考え方次第で」
そうなんです。自分で、もう治らない、と思っちゃぁそれでおしまいなんです。ダメなんです。
アトピー治療はステロイドの外用に尽きます。しかしその外用薬の使い方がいちばん大切なんです。
竹原先生の書かれた医学書、もちろん医師のためにかかれた書籍ですが『アトピー性皮膚炎診療が楽しくなる(南江堂)』というのがあります。私は何度も熟読しました。ですので、私も竹原教授のやり方をそのまま踏襲してアトピー治療に当たっています。もちろん、徹頭徹尾、完治を目指します。
実はそのためには、皆さんに知っておいてほしい事がいっぱいあります。竹原先生の「君の考え方次第」とはまさにこのことなのです。

1.ステロイドは決して怖い薬ではない。それどころか魔法のように良く効く薬である。まして軟膏で塗る場合は、全身に塗っても、内臓、特に副腎などに悪影響は及ばないし、妊婦が使っても大丈夫である。

2.ステロイドの怖いところは、あまりに良く効くのですぐに治ってしまい、患者が勝手に「怖い」という先入観から、使用を自己中止してしまう事で起こる「リバウンド」である。

3.アトピー性皮膚炎に限らず全ての皮膚疾患に言える事だが、薬を塗って治っても、医者が止めて良いというまでは、治っていても塗り続けなければならない。

4.医者は最初は強いステロイドを、最長でも2週間に一度は、治り具合を見て、薬を少しずつ(私の場合は5段階)弱い薬に変えて最後はステロイドの入っていない保湿剤だけを塗るように持って行くのが目標である。

5.薬の中身は医者が考えるから、患者は「バカになって」止めて良いと言われるまでひたすら塗り続ける。

この本を読んで以来、私はアトピーの患者さんが来たら「ワクワク」するようになりました。当院ではアトピー性皮膚炎との闘いには、ステロイド外用薬以外にも、二の手、三の手、奥の手と、いっぱい武器を持っています。もっと書きたいことがあるのですが、スペースの関係からあと一つだけ。腸内環境を整える事はアトピー治療にとても重要です。毎日一日1カップ、ヨーグルトを食べて下さい。

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