医療法人社団 甲南回生
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シミとあざとイボ

シミとあざとイボ

2016/06/17

先日、シミ取りのカウンセリングに来院された妙齢の女性、近くの皮膚科でシミ取りレーザーを10回以上、照射してもらったけどぜんぜん消えないと、お友達からご紹介されたと言ってお見えになりました。

一目見て、「これはシミではなく、イボです」「エェッ! シミじゃあ無いんですか?」「レーザーって、もしかしてパンッ、パンッって感じで、その後1週間くらいテープ貼っといて下さいっていうレーザーですか?」
実は多いんですよ。よく見るとシミではなくて実はイボだという症例。だいたいが「汗管腫」か「扁平疣贅」という、皮膚の「良性腫瘍」です。

目の周りや額、頬、こめかみ、頚、デコルテに、触ってブツブツしてるようない小さな1ミリくらいのイボがありませんか? 色が濃いとシミに見えるんですよね。それが汗管腫です。実は遺伝性で特にアジア人によく見られます。
汗管腫は汗腺のひとつエクリン汗腺が真皮内で増殖して腫瘍状に見える状態です。中年期以上の女性に多く見られる症状で、とくに目の周りに出来ることが多く。けっこう目立つ場所にできるんですね。遺伝的体質や環境の変化によるホルモンバランスの乱れなどが原因とされていますが、なにせ基本的に良性とは言え「腫瘍」ですから、原因は細胞の突然変異なわけです。色々なことが原因となって当たり前。

特徴として、見た目は扁平に突起した湿疹で、色は褐色。ただしその色は薄い場合もあれば濃い場合もある。痛みやかゆみがない。大きさは1ミリから、最大で5ミリくらいまで。腫瘍ですから歳とともに増えるのは、いた仕方ありません。
一方、扁平疣贅には実は2種類あって、青年性扁平疣贅と老人性扁平疣贅があります。本当をいうとこれら両者、どちらもあまり違いはなくて、若い人にできたら青年性で、ある程度お年を召した方にできたら老人性という、くらいの違いしかありません。

扁平疣贅の場合、原因はどちらもHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに感染してできます。扁平と言うくらいですから、触ってちょっと平坦に盛り上がっている程度。丸かったり尖ったりはしていません。大きさは1ミリから、いちばん多いのは3ミリ程度で、形は丸い物は少なく、どちらかと言えば、なんか地図みたいな感じで、いびつな形をしています。

ウイルスが原因なので、イボをいじった手で肌の他の部分を触るとうつってしまうので、できるだけ触って頂きたくないのですが、別に触った部分の皮膚がキズ一つなく健康な肌なら問題ないのです。皮膚に傷があったり、免疫力が落ちていると、感染してイボになってしまうのです。

ですので、汗管腫が純粋な細胞の突然変異によってできる腫瘍だとすれば、扁平疣贅はウイルス感染を契機に発生する腫瘍と、大別することができます。
治療ですが、腫瘍ですから外科的切除しかありません。液体窒素などで治療してくれるところもありますが、炭酸ガスレーザーで焼灼するのがいちばん綺麗で治りも速いのですが、この炭酸ガスレーザーを持っているというか、使っている皮膚科の先生ってあまりたくさん居られません。けっこうお値段が張る機械なので、美容外科かせいぜい一部の一般外科なら、一台くらいは持ってるでしょうが、一般の皮膚科診療所ではそうそう使うこともなく、美容外科に行くと自費とかになって、けっこうお高い値段になります。

後でも述べますが、最初のカウンセリングの時に、治療にかかる機関と、回数、そして総額でいくらぐらいになるか、ちゃんと聴いておいて下さい。うちでは炭酸ガスレーザーも、炭酸ガスフラクショナル・レーザーも装備していますので、少々数が多くても、少々大きな腫瘍でも、時間さえ頂ければ、じっくり全て除去します。汗管腫で、500個以上取った方も大勢います。一回の施術で約20分、100個くらい取ります。
いっぺんに全部とっても良いんですが、あまり一度にたくさん取ると、やはり数日は痕も目立つし、痛みも少しはありますし、それこそ500個一度に取ると、皮膚のひきつれも出ますので、やはり一度に少しずつ、痕は通院回数で稼ぐ感じになります。
余談になりますが、男性で、顔にシミのある人、多いですね。特に中年以降でゴルフや釣りなどがご趣味で日焼けをしている方。シミだと思って、でもまぁオレも歳だし、女じゃないからこのくらいのシミは仕方ないか、という男性にはぜひ受けて頂きたいです。

男性のシミはほとんど一回の治療で治ります。何故なら大概がシミではなく、汗管腫か扁平疣贅なので、炭酸ガスフラクショナル・レーザーなどで一皮削れば、血も出ません。ダウンタイムは3ヶ月ほど。削った部分は放っておいても、一週間ほどで赤くなり、やがて茶色く、そしてその後、軽くいちど日焼けでもすれば、ほとんど周囲の皮膚の色と同化します。これも、持っているのは美容外科が多いので、お値段は最初にカウンセリングに行った時にしっかり聴いておいて下さい。
うちですか? うちは安いですよ。男性、女性に関わらず、汗管腫も扁平疣贅も、300個くらいまでなら、高くて3万円くらいで、ほとんど綺麗になくなります。ただし、ダウンタイムがちょっと長いので、それだけはご理解ください。でも、何度も言いますが腫瘍ですから、切除しなければ一生治らない訳で……。
女性のシミは皮膚の色素沈着ですから、表皮だけならまだ良いですが、真皮層まで色素沈着していると、これは色々な種類のレーザーを組み合わせて治療しますので、一年は通院していただく必要があります。
最近はね、最初に書いたような「パンッ、パンッって射って、そのあと一週間テープ貼って…」なんていうシミ取りは滅多にやってません。どんどん良いレーザー治療器が出てますから。

ただし、時間はかかります。一回行ってレーザー射ってもらって、それでポロッと落ちるシミなんて、確かにありますけど、それはラッキー。何十年もかかって出来たシミがそんな簡単に治るわけないじゃないですか。

「レーザー1発500円」なんて広告ありますよね、あれ、騙されちゃダメですよ。シミ一つが500円で取れると思ってませんか? 違います、あくまでレーザーを一発照射して500円ですからね。一つのシミに私でも最低で5発は射ちますからね。顔中シミやホクロぜんぶ射ったら300発とか400発なんていうことだって、ざらにあります。機械にカウンターが付いてますから、ハイこれ見て、350発って出てるでしょう?

1発500円だから17万5千円ね。なんて言われても、後の祭りですからね。しかもそれがシミではなくてイボだったら、それこそ目も当てられませんから、気をつけて下さいね。

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