長寿遺伝子とカロリー制限 ~1~
2018/02/26
少食にすると「若返りスイッチon」になり、 老化を防ぐ?
これは、本当です。
間違いありません。
ですが、 この話は私が非常勤講師を務める大学で、
生命医科学を学ぶ大学院生相手に講義しているような内容です。
全部を1からお書きするとおそらく大半の方はお判りにならないと
簡単に障りだけお書きします。
我々の老化をコントロールしているのは「サーチュイン遺伝子( Sirt 1)」と呼ばれ、
すべての人が持っている遺伝子です。
しかし、このサーチュイン遺伝子、たいていの場合、 普段はスイッチがオフの状態になっています。
ですので老化を抑制するためには、 このサーチュイン遺伝子のスイッチをオンにしなければなりません 。
サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子または抗老化遺伝子、 飢餓遺伝子とも呼ばれ、
その活性化により生物の寿命が延びるとされています。
サーチュイン遺伝子の活性化により合成されるタンパク質である「 サーチュイン」は
「ヒストン脱アセチル化酵素」であるため、 ヒストンとDNAの結合に作用し、
遺伝的な調節を行うことで寿命を延ばすと考えられています。
まぁこのあたりは飛ばして読んで下さい。
「ヒストン脱アセチル化酵素」であるため、
このサーチュインの作用メカニズムはマサチューセッツ工科大学の レオナルド・ガレンテのグループが1999年に発見しました。
ガレンテ教授は「カロリー制限」に注目し、
酵母菌( パン生地を発酵させるときに使うごくありふれた細菌です) のエサであるブドウ糖の量を減らし、
カロリーを25% 程度低く抑えると「NAD(ニコチンアミド・アデニン・ ジヌクレオチド) という代謝の仲介をする補酵素が出て
サーチュイン遺伝子にまとわ りつき活性化させることを見つけました。
酵母菌(
カロリーを25%
サーチュイン遺伝子にまとわ
このNADは我々人間の体にも存在し、 摂取カロリーが制限されると、
細胞内のNAD濃度が高くなることが判っています。
つまり、人間もカロリーを制限することでNADが増えると、 サーチュイン遺伝子が活性化し、
機能しはじめるのです。
これが別名「飢餓遺伝子」と呼ばれる所以です。
機能しはじめるのです。
ですので、
ただし、カロリーを減らしすぎると、免疫機能が低下したり、
骨密度が減少したりといった副作用もありますので、食べ過ぎず、
栄養バランスのよい食事でカロリーを控えめにすることが、
サーチュイン遺伝子のスイッチをオンにして老化を抑制する秘訣で す。
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