ポリフェノールって何のこと?4
2014/01/16
…うーん、それでもチンプンカンプンですか…じゃあ、もっと分かりやすく、質問形式でご説明しましょう。
Q1:ポリフェノールってなに?
A1:ポリフェノールとは、植物が光合成をする時にでる物質の事で、木の葉、樹皮、花などに含まれています。ブルーベリーに含まれるアントシアニン、イチゴに含まれるエラグ酸、蕎麦に含まれるルチン、大豆に含まれるイソフラボン、お茶に含まれるカテキンなど、その種類は五千種類にのぼります。
Q2:ポリフェノールの働きは? 効果って?
A2:ポリフェノール最大の特徴はビタミンCやビタミンEなどとは異なり、細胞間の水溶性部分、脂溶性部分、細胞膜でも抗酸化効果を発揮します。ビタミンCは水溶性部分のみ、ビタミンEは脂溶性部分のみでしか抗酸化効果を発揮できないからです。
ポリフェノールは水に溶けやすい性質があるため、摂取後30分ほどで働き始めます。ですが、ポリフェノールは体内に蓄積されませんので、その抗酸化効果は30分ほとで消えてしまいます。ですから、ポリフェノールを含有する食物やワインなどをこまめに摂取することが肝要です。
その効果を上げていくとキリがないのですが、視力向上、肝機能向上、殺菌作用虫歯・口臭抑制、コレステロールの減少、血圧上昇抑制、肝機能強化、胆汁の分泌促進、胃液の分泌促進、アレルギー抑制、疲労回復、ストレス解消、発がん性物質除去、血管強化、脳細胞活性化、女性ホルモンのバランス調整、冷え性改善、有害物質の排泄促進、血糖値の急激な上昇を防ぐ、美白効果、抗がん作用、血圧降下作用、動脈硬化・心臓病の予防、骨粗しょう症予防、更年期障害の予防、血中コレステロールの抑制、消臭作用、眼精疲労・視力回復、腹部の脂肪蓄積予防……本当にキリがないですね。でも、ポリフェノールってたくさん種類があって、それぞれ持っている効果はちがうんですが、効果のほとんどに抗酸化作用がふくまれ、身体に良い物質である、ということはお分かり頂けると思います。
Q3:ポリフェノールの摂り方は?
A3:ポリフェノールは、体内で数時間しか効果が持続せず、また体内に蓄積することができません。ですから、こまめに摂ることが大切です。お茶やコーヒーにもポリフェノールが含まれていますので、無理なく摂ることができると思います。よく言われる赤ワインのほか、緑茶、大豆、ソバ、などにも多く含まれています。
Q4:ポリフェノールと美肌の良い関係とは?
A4:それぞれに違った効果を発揮するポリフェノールですが、共通してみられる効果に「抗酸化作用」と「抗菌作用」があります。この抗酸化作用によって、活性酸素の働きを抑え細胞の老化を防止してシミ・シワ・たるみからお肌を守ります。細胞が元気に活動する事で、皮脂のバランスも良くなり乾燥肌の防止にもなります。
またポリフェノールの殺菌作用は、睡眠不足やストレスからくるニキビ・肌荒れも抑えることができます。いちご、ラズベリー、ザクロ、りんご、ナッツ類などに含まれるエラグ酸というポリフェノールには、メラニン色素の発生を抑制する効果がありますので、美白志向の高い方はぜひチェックしてください。いちごやラズベリーなどはビタミンCも豊富ですので、ダブルでシミ・ソバカスを撃退してくれます。
美肌に大いに寄与するポリフェノール。身近で食べやすい食品に含まれているのも魅力です。活性酸素は、常に体内で発生しています。紫外線、喫煙、飲酒、ストレス、また電磁波や排気ガス、農薬などの生活環境も活性酸素の発生の原因になっています。ポリフェノールを毎日の習慣にして、活性酸素の働きを抑え、内側から美肌を目指しましょう。
何度も言いますが、抗酸化作用をわかりやすく説明すると、身体のサビ落としです。それ以外の効果としては、抗菌作用。体を雑菌から守ってくれます。睡眠不足の人はよく肌荒れを起こしがちですが、ポリフェノールの抗菌作用がお肌の炎症まで抑えてくれます。
それから、皮膚の大敵といえば紫外線ですよね。皮膚がんの予防はもちろん、紫外線を浴びることで細胞が壊れ、活性酸素をたくさん発生させてしまいます。でも、ポリフェノールは紫外線から生まれる活性酸素を除去し、皮膚細胞のDNAを修復してくれます。紫外線の強い季節や、長時間の外出などには紫外線から皮膚の健康を守るためにもぜひ利用してください。
またポリフェノールの中で特に、カテキンやタンニンを含む植物エキスには皮膚のたんぱく質と結合して、肌を引き締め、汗腺や皮脂腺を閉じて、水分や皮脂の分泌を一時的に抑える働きをするものが多数あるので活用してください。
もちろん、その他にも抗酸化作用で、いろんな病気を予防したり、うれしい効果を期待する事が出来るのです。
ただこれだけは注意して下さい。ポリフェノールは、体内に摂り入れてから効果は数時間しかもちません。ですから数時間おきに摂取できれば最高なのですが、そこまで神経質になってしまうのもちょっと辛いですよね。だけど、体の老化を促進してしまう活性酸素は、残念ながら常に生み出されています。活性酸素を増やさないためにも、こまめにポリフェノールを摂取して頂きたいと思います。
余談ですが、お寿司屋さんに行くと最後に「あがり」といって濃いお茶が出てきますよね。実はあれ、深い理由があるのです。もともと物流が今ほど発達していなかった江戸時代、たまには古いネタのお寿司もあります。ところが緑茶のカテキンの抗菌作用が殺菌してくれる。他にもショウガに含まれるポリフェノールやシソの葉、ワサビに含まれるポリフェノールにも強い抗菌作用があります。昔の人は経験的に、分かっていたんですね、食中毒の予防法が。