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インフルエンザ情報 2016年2月

インフルエンザ情報 2016年2月

2016/02/22

現在、平均して一日10人弱、インフルエンザの患者さんが受診されており、そのほとんどが「B型インフルエンザ」です。
 
よく、ワクチンを注射しておけば罹っても軽くすむとお考えの方がいらっしゃいますが、これは間違いです。ワクチンというのは「オール・オア・ナッシング」つまり効いて抗体ができるかできないかのどちらかしかありません。
 
今年は流行の始まるのが2月に入ってからと遅かったため、昨年の10月にワクチンを注射しても、すでに効果がなくなっている人もたくさん居ます。いまの時期が警報レベルのピークだと考えてよいでしょう。
 
いまは簡易検査キットもありますし、それに何より特効薬が4つもあります。これは画期的なことです。簡易検査キットのなかった頃、というより15年前にはそんなものなかったのですから、検査キットができたこと自体、私などは驚きなのですが、それまで私たちはインフルエンザを問診と、そして顔つきで診断していました。「インフル顔貌」と言って、ほっぺたが赤く、眼がトロンとしている、生気がない、などのものすごく特徴的な顔つきで、これは私の世代の医者ならだいたい顔つきでインフルエンザを当てることが出来ます。もちろんハズレもありますよ。そんなもん、人間のすることですから。
 
そして今でこそタミフルやラピアクタなどの特効薬があって、5日もあれば学校や職場に戻れますが、私が医者になった頃には、最低でも一週間は高熱が続いて、自分の免疫力でウイルスを退治して、そのあと消耗した体力が戻るのに3週間はかかかりました。インフルエンザはかかったら最後、あぁこの人、一ヶ月は使い物にならないな、という病気でした。
 
インフルエンザの治療は時間との戦いです。少しでも早く治療を始めれば、それだけ楽に、早く治ります。「しんどくて病院に来られなかった」というのは最も避けるべきことで、「這ってでも病院に来て下さい」といつもお伝えしています。
 
今年のインフルエンザの特徴は、
1.まず喉の痛みが2~3日続き、あるとき突然、熱が出る、激しい頭痛、どうしようもない倦怠感、などがみられたらインフルエンザの発症と考えて間違いありません。
2.熱があまり高く出ない(平熱で元気そうなお年寄り、まさかねぇと言いながら検査したら、3秒で検査陽性を経験。ただし子供はやっぱり高熱が出ることが多い)
3.とにかく頭痛が特徴。まずほっぺを見て赤かったら、体温を伺う前に「頭は痛いですか」と訊いています。とにかく大人も子供も、言葉にできない倦怠感、頭痛、頬が赤い、眼力がない。そういった症状を見せれば病院へお願いします。ただし、親御さん方にこれだけは注意しておきたいことがあります。
 
・学校で流行っているから検査してくれと言って子供さんを連れて来ないで下さい。インフルエンザを発症してないと検査しても意味はありません。潜伏期間でも検査は陰性です。何か異常を訴えてからでないと検査は陽性に出ません。そして発症後12時間を経過しないと、やはり検査は陰性です。でも、最近は発症後3時間でも判定できるキットもあります。うちは今年から全部それに変えましたが、それでも発症後3時間です。
 
・うつったかも知れないから薬をくれと言って来ないで下さい。今あるインフルエンザの特効薬は全て「ウイルスの増殖を止めるもの」ですので、予防的投与の価値は低いです。発症して初めて、特効薬は真価を発揮します。入試前だから予防的に飲んでおきたいというのは、お気持ちは判りますが、薬理学的にはものすごく無駄なのです。
 
・お姉ちゃんがインフルエンザだったからと言って弟さんを連れて来ないで下さい。検査しても陰性です。でもそれで罹ってないとは言い切れません。そして潜伏期間は感染してから3日から4日です。さらに解熱後(平熱に戻って)48時間は感染性がある、つまり他人にうつします。以上から計算すると、家に一人でもインフルエンザの患者が出れば、家族全員が一週間の警戒が必要となります。
 
・インフルエンザに罹っていると判って家に帰ってから、その人を隔離しないであげて下さい。無駄です。病院に来る前に家中ですでにウイルスをばら巻いています。病院で感染が確認されてからでは手遅れです。インフルエンザのウイルスはものすごく強い感染力を持っています。例えば満員電車に一人だけインフルエンザの患者さんが乗っていたとします。その患者さんが一発クシャミしただけで、その車両に乗っている人全員の服や髪の毛にウイルスが付着します。ですので、家族に一人でもインフルエンザの人が出れば、ワクチンを注射していても、だれも全く安心できません。
 
・簡易検査キットは鼻か喉の奥に綿棒を突っ込みます。これ、本当にかなり痛いです。でもこれだけは避けて通れません。大人も子供も乳幼児も、泣いてでも我慢して下さい。「鼻に棒を突っ込まないで検査して下さい」などと、無茶は言わないで下さい。医者だってやりたくてやってる訳ではないのです。ごめんね、と心の中で謝りながら、手は無慈悲に動きます。
 
・検査キットで陽性でなかったとしても安心はしないで下さい。まだ潜伏期間のうちに検査しただけ、ということも充分にありますし、検査キットの信頼性も85%から90%程度です。やはり患者さんの症状が、診断にいちばん重要となります。
 
とにかく今年は、頭が痛いと言ったらインフルエンザを疑って下さい。でもそれだけで病院に行っても検査をしては貰えません。前述のように結果の信頼性に期待が持てませんし、鼻が痛いだけです。少なくとも3時間以上は様子を見て、どんどん症状が重く、全身の倦怠感や節々の痛みを訴えはじめるようであれば、まず間違いありません。大急ぎで医療機関へ。それ以上待つのは患者さんが辛いだけですから。(2016.02.18)

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