医療法人社団 甲南回生
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子宮頸癌予防ワクチンについて1

子宮頸癌予防ワクチンについて1

2013/06/12

昨今、子宮頸癌予防ワクチンがいろいろと話題になっています。副作用で苦しむ少女の映像が、You Tube で配信されて以来、本当にこのワクチンは大丈夫なのか?効果はあるのか?皆さんの中に疑問が生じるのは当然です。
今回は私なりの解釈を書き連ねたいと思います。あくまで私の個人的見解ですので、先にそれだけはご了解下さい。

さて、子宮頸癌予防ワクチン「サーバリックス」が薬事承認され、それに引き続いておなじく「ガーダシル」も承認され、我々には十分な情報が開示されないいまま、地方自治体などでは集団接種すら開始され始めている今の現状を、私は危険だと考えています。なぜなら、子宮頸癌を予防するために、日本において上記2種類のワクチンが果たす役割は、決して高いとは思えないからです。
「サーバリックス」に少し遅れて承認された、同じ効果のワクチン「ガーダシル」も同じことですが、添付文書を読めば読むほど、接種する必要性が私には分からなくなるのです。サーバリックスの効能効果は、高リスクに子宮頸癌を引き起こす数種類のHPV(ヒトパピローマウイルス)のうちの「16型及び18型感染に起因する子宮頸癌、およびその前駆病変の予防」となっています。しかもサーバリックスは、16型と18型のHPVに対してのみ予防効果が認められるにすぎず、しかも予防効果の持続期間は確立していない、つまり先のことはまだわからないと謳っているのです。
さらに私が疑問を感じる最大の理由は、数種類ある高リスクの子宮頸癌を引き起こすHPVのうち、確かに欧米では16型と18型が主流ですが、日本においては52型と58型のHPVも高危険型であって、18型は日本では自然治癒することが多いという点です。サーバリックスの添付文書に、16型・18型以外のHPV感染に起因する子宮頸癌およびその前駆病変の予防効果は確認されていない、と明記されている以上、サーバリックスを推奨し、小学生に集団接種までする意義は認められません。
またサーバリックスの日本国内での臨床試験は612例ですが副作用として死亡例やアナフィラキシー・ショックなど重篤なものについては、海外で報告があるにもかかわらず、日本国内での治験ではみられなかったために、あえて「頻度不明」としています。重篤な副作用を曖昧にして接種を推奨しようとするやり方は、C型肝炎訴訟を例に取るまでもなく、日本では今に始まったことではありませんが、いつまでもこのような状況が見過ごされて良いはずがありません。
しかも日本で高危険型とされるHPVに対しての予防効果が期待できないこのワクチンの接種を、あたかも子宮頸癌予防の「決め手」であるかのように推奨し集団接種することはもっての他ではないでしょうか。受診者に対して、効果と副作用について十分に情報提供されていないまま、高額な費用を自治体が全額負担することで、まさに条件反射のごとく大半の保護者が女児への接種を希望しているのです。こんな危険なことが許されていいのでしょうか?

次回に続く

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